「なあ兄ィちゃん、
 “ゆびきりげんまん”って言葉知ってるかい?」




■人物像


甲斐名 壱見(かいな・いちげん)


 一人称:俺
 二人称:お前さん、兄ィちゃん(姉ェちゃん)


 凶暴、粗野なチンピラ然とした風体とは裏腹に、あくまで依頼された仕事を果たすことにしか興味がない、
 興味を持たないことをモットーにする仕事人。

 聖板戦争・主催側に雇われた、願望器を目的としないマスター。
 その役割は、“英雄”としての一定水準を満たし得ない有象無象の参加者のふるい落とし――参加者へのゲリラ攻撃及び排斥である。

 本来の彼は過去に修めた怪しげな術「言霊」を商売道具に、
 極道と堅気、魔術と現実、ウラとオモテの狭間のグレーゾーンをふらふらと渡り歩く「便利屋」であり、
 たまにとある筋から物騒な「案件」を請け負って、拳を凶器と振るい返り血を浴びる「掃除屋」である。
 ちなみに、借金取立て的な仕事が主な稼ぎ口。

 とある理由から”嘘”、“約束”に関して偏執的であり、
 詐欺行為や不誠実な発言を蛇蝎の如く嫌ったり、必要以上に他人に約束を強要し過ぎたり、
 極めつけには、本来なら汎用性に長けるはずの言霊を、“言葉の責任”を司る「御理」一本に絞ってしまっている。
 甲斐名としてもあまり執着しすぎてバランスを崩すのは危ういと理解してはいるものの、自身の心をあまり御しえていない。


■戦闘スタイルと聖板戦争における方針


『方針・目的』

 雇われ者の彼には聖板の入手というベクトルの目的がない。
 そして仕事である参加者へのゲリラ攻撃以外に特別な方針を持たない。

 …とは言え、『参加者への攻撃基準は特別な指示が無ければそちらの裁量に任せる』と言い渡されているため、
 本人としてはかえって今ひとつモチベーションが乗り切らない。
 加えてふるいに掛ける側の自身も何故か、そのふるいに掛けられるべきマスターとして参加させられている矛盾に不穏なものを感じており、
 普段はタブーとしている“クライアントのハラ探り”が頭にチラついている。

『戦闘時相性の良い相手・悪い相手』

 多彩なパンチを基本とした肉弾戦が主な戦法。
 ここに言霊による精神負荷を加えて足止めをしていく戦闘スタイル。
 したがって心に負い目のある者、精神強度の低い者に対しアドバンテージがある。
 一方遠距離攻撃を主とする相手には接近戦も言霊も通じづらい(拳も声も届かないので)。どうにかして距離を詰める事が必須。

 「約束を軽んじる不誠実者」に対し事実上の一撃必殺技『指切拳万』を保有しており、
 こうした手合いには絶対的優位に立てる――

 ――というか率直に言ってしまえば、
 聖板戦争において「不誠実な契約」を結んでいない参加者はおそらく一人もいない
 なぜなら聖板戦争(=聖板という願望器の奪い合い)に参加する以上、実情がどうあれ皆が皆、自身のパートナーに対し
 “手に入るかどうかも不確実な”願望器という報酬を条件に召喚契約を交わしているからである。
 (その不確実さたるや、どんなに些細な願いであれ最低1組と争って勝たねば叶えられない、単純計算で最大50%の確実性という代物。)

 ただし逆に言えば甲斐名自身もその「不誠実な契約」を結んでいるマスターに他ならず、この影響により『指切拳万』の威力はかなり目減りしている。

『性格的に相性の良い相手・悪い相手』

 繰り返しになってしまうが、甲斐名の仕事は参加者のふるい落としであるため、甲斐名の裁量によるとは言え基本的には他の参加者とは没交渉かつ思うところなし。
 少なくとも彼の立ち位置に変化がなければ。

 強いて言えば他人を出し抜く不誠実な手合いほど、諸々の理由でより標的になりやすいと思われる。


■サーヴァントとの関係


 基本的には契約で結ばれるビジネス関係。
 しかし事あるごとに他人を助けようとするサーヴァントの態度には辟易しつつも、
 その一見胡散臭い博愛ぶりに嘘偽りが無いことが何となく分かってしまうので無碍に扱えないでいる。


■台詞


 「さーーーて、
  カタ付けの時間だよ?」

 「ん?今『何でもするから』っつったか?
  嘘吐くなや。こちとら本職の何でも屋だけど何でもとかできねェよ」

 「いーこと教えてやるよ、
  法律ってのァ守るもンじゃねえのよ。
  ――守らねェ奴をひどい目に合わすためのもンなの」


■イラスト、小説の二次創作使用


ご自由にどうぞ。
色々とネチくさいおっさんですが。