※サーヴァントの真名が書いてあるので注意 『 藤八水、ニンジャや…て、そないうさんくさそな顔せんでええやろ 』 詳細設定 企画エントリーシート+ ・人物   四次聖板戦争を運営する魔術組織・霊長総軍のエージェントである高校生忍者。家霊と呼ばれる特殊な精霊を操る。   組織の幹部である直属の上司の命令を受け、霊長総軍内でも大きな権力を持つ大幹部・ロックフォードの動向を探っていたところ、   彼が組織の長であるオーリー=グラスマンを欺いて、ある計画を密かに遂行していた事実を突き止める。   これを上司に報告したのはよいが、相手に先手を打たれてあえなく上司は暗殺。八水も命を狙われ、裏切り者の汚名を着せられた挙句に組織を追われる羽目に。   絶体絶命の窮地を、たまたま配布用に持っていた小聖板から召喚されたサーヴァント・徳川家重が救う。   恩人であり、先祖の主君でもあった家重に忍として新たな忠節を誓った八水。ここに珍妙な主従コンビが誕生したのであった。     性格は紳士的で物腰穏やか。細かい気配りもでき、気さくで親切。イケメンだがスポーツ万能で成績も上位である。   話し上手の上に聞き上手でもあり、クラスの盛り上げ役を買って出ることも多く、教師含め男女共に幅広く人気がある。   しかしどこか一歩引いた感があり、あまり深い人間関係を築きたがらないようで、モテはするもののつき合ってる相手はいない。   そんな隙のない彼を妬んで時折ケンカを吹っかけてくる連中もいるが、平和主義者である彼は巧くやり過ごしている。   …と、学生としては非の打ち所のない彼ではあるが、学校での人当たりの良い姿は裏稼業で背負った業をひと時忘れたいがゆえのもの。   藤の家は徳川幕府が崩壊してのち、華族や富裕層を転々として仕える主を代えてきた。これは家霊使いとして、   活動をする上での資金源、パトロンを必要としたからである。彼らの一族は忍でもあるが、同時に戦国の昔から   邪悪な家霊を祓い、封じる責務も帯びていた。その家伝を守る為にも、やむを得ず忍として汚れ仕事に手を染めてこざるをえなかったのだ…。   そんな次第で幼い頃から企業の非合法工作員として働き、現在では魔術組織の下部構成員として時には殺人も行ってきた。   のみならず家霊使いとしても幾度も死ぬような戦いを経験し、冷えきった鉄のような精神を宿すようになる。   元々根は心優しい八水、そんな事を続けてきたストレスで精神のバランスを崩し、最近は密かに薬物(市場に出回ってない忍の使う偽大麻の一種)   を摂取、依存するようになってきている。   彼は第四次世界にしか存在せず、平行世界の第三次世界では幼い頃に忍術修行の折の事故が元で死亡している。   その後に父も他の家霊との戦いで死亡しており、残された母も自ら命を絶っていて、藤家そのものがなくなっている。       ・方針(聖板戦争での立ち回り方) 序盤、平行世界から迷いこんできた目取真重雄と小田吉法子と遭遇し、エージェントとして彼らに戦争参加者の適性ありと判断、小聖板を配布。   しかし彼らはサーヴァント召喚後、こちらを戦争を影で操り惨禍を広げる悪の組織だと一方的に決めつけ、攻撃をしかけてくる。   だが、前回の三次戦争を戦い抜いて多少は鍛えられたはずの目取真と法子を、八水は高い戦闘力で完全に子供扱い。   しかしその後、突然同僚のエージェント達に包囲され攻撃を受ける。…そう、彼は組織にとって、もはや裏切りものなのだ。   だが、ここで思わぬ応援が。先ほど戦ったはずの目取真と法子が、加勢してくれたのである。さらに所持していた小聖板が光り出し、   八水と法子にサーヴァントが召喚され…この助けを得て、一気に逆転。目取真らとサーヴァントに感謝し、仲間になりたいと申し出る。   当初は彼らに協力すると見せかけ、人の良い彼らを利用して組織からの文字通り弾除けにしようという下心もあった。   行き場のない彼らを石枝山中に隠したカラクリ忍者屋敷に招き、聖板戦争の裏で暗躍する巨悪と戦い人々を救おうと誓い合う。   その後、謎の戦士タイダーと相棒のアニーとも出会い、目取真をリーダーに据えたチームを八水は立ち上げる。     中盤。アホの子過ぎるサーヴァントに振り回されてひどい目にあいながら、なんとか追っ手との戦いを潜り抜けてゆく。 またタイダーにも影響されて一般人を守る為の戦いもするようになり、聖板戦争で悪虐を働くマスター達とも幾度となく刃を交える。   やがて八水は彼らと肩を並べて戦う内に、その人々や世界を守りたいという義心に敬服。そして今まで誰にも感じた事のないような友情の念さえ抱くようになる。 忍仲間や産業スパイ、組織の同僚や学校の友人達とは違う、初めての心許せる仲間達の存在…それが裏稼業で疲れた彼の心を変えてゆく。   ところが肝心の目取真の方は、自分の欲しいもの全てを持っている八水の存在に激しく打ちのめされ、涙ながらにその嫉妬の気持ちを吐露。   目取真本人のコンプレックスもあって素直に彼を認められず、確執を生んでしまうのだった。   その上悪い事には、今回も織田信長召喚に失敗したと知って大きく落胆した法子を慰める内に、彼女は八水に恋心を抱くように…。   以前から法子が好きだった目取真はその気持ちを知って、更なる嫉妬の念に駆られる。ここに教長も加わり、一転してドロドロとしてきた人間関係。   タイダーの尽力空しくチームは空中分解…! バラバラになった彼らを霊長総軍の実力者エージェント達が襲撃する。   次々捕えられる目取真チームの面々、果たしてどうなってしまうのか…? 終盤に続く。   ※余談だが、目取真チームの予備戦力として八水の家の両親がいる。怪我で現役を退いてはいるが父親は優れた家霊使い。    母親も忍である。積極的に関わってくる事はないが、いざとなれば息子を守るべく助太刀に入ってくれるようだ。      ・戦闘スタイル(強み・弱点含む)   基本としては忍者として忍術を用い、トリッキーな攻撃で相手を翻弄。気配を遮断し、背後からの一撃というのがセオリーである。   強敵や超常的な相手に対しては、霊木で作られたカラクリ人形の武器を使用して挑む。   …と、ここまで挙げた忍の技で歯が立たないようなサーヴァントなどに対しては、屋敷神の力を借りた家霊使いの技で戦う。 家霊使いの技は多くが強力な上に魔力消費の少ない性質を持っており、ほぼ隙のない能力であるように見える。  ではあるが、ほとんどが設置技で発動にも間があり、勘が鋭く敏捷性の高い相手には発動を見てから避けられてしまう事もある。   回避されないように様々な策を弄する必要があるのが、欠点といえば欠点。   以上の技を駆使、あるいはそれらの全てを陽動・囮として、相方であるサーヴァントの強力な宝具を叩き込む布石に使う。 ・戦闘時相性の悪い相手・良い相手   戦闘スタイルの項でも挙げたように、家霊使いの術は素早い相手には効果が低い。本人も忍の敏捷性を生かしたテクニカルな攻撃法を得手とする為、   総じてスピードの遅い相手に対してはさしたる苦もなく撃破が可能。   また、サーヴァントは近接戦闘能力がまったくゼロである事も大きな問題。本人も多少の防御手段はあるが、先んじてそちらが狙われて倒される恐れもある。   中位の戦闘サーヴァントにも匹敵する戦闘力を持つ八水とはいえ、さすがに一人で相手マスター&サーヴァントに戦いを挑むのは自殺行為である。   しかしそれはあくまでマスターとサーヴァント、二人だけならの話。仲間を手に入れ、自らのサーヴァントをガードできるものが多くいれば、   その宝具による一発技を決める好機は大いに増えることだろう。 ・性格的に相性の悪い相手・よい相手   前述の通り物腰穏やかであり、性格的に相性の悪い相手はほぼ、いないと思われる。ただしより深い絆を求めてくる相手に対してはうまく心を開くことができず、   急につっけんどんな態度をとってしまう事がある。これは八水の方から相手に近づこうとした場合でも同じで、踏み込んだ関係を望んでも中々思うようにいかないようである。   幼少の頃から忍として、裏と表の世界での二重生活を長年続けてきたせいでこのような人格が形成されたと思われる。   これまで自分のこういった性格を意識した事はあまりなかったが、目取真と仲良くなりたい…という気持ちが芽生えてからは否応なく自覚するようになった。   戦争中盤から終盤にかけて仲間内の恋愛関係のもつれに巻き込まれるが、そういった深い関係を避けてきたツケが祟り、   いつものようなコミュニケーション能力の高さを発揮することが適わずチームを仲違いさせてしまう。   その他に挙げる点として、影で常習的に薬物を摂取している事が知れれば、常識的な社会性を持っている相手には軽蔑され信頼を失うだろうと思われる(本人必死に隠そうとする)   基本はツッコミ属性なのでボケキャラと相性がよい。 ・サーヴァントとの関係   根来忍者の末裔である八水、先祖が徳川将軍家の御庭番であった縁が今生でも作用したのか、サーヴァント・家重の召喚となった。   当初は三百年前の先祖と同じく主従関係を結んだのだが、結局一人では何にもできないお子様家重の世話係、保護者としての関係に落ち着く事に。   面倒見が良い彼は、バカ殿の家重に対しても甲斐甲斐しく世話を続ける。そのアホぶりに振り回されつつも、笑顔に癒されるのだった。   その間柄は基本、四次戦争を通して変わる事はない…のであるが、終盤これまで手のかかる妹分だと思っていた家重が自分より年上と判明。   若干の関係変化をもたらさずにはいられなかった(笑)  ・チームの仲間たちとの関係  ★目取真重雄 ⇒ 目取真はチームの参謀格として八水を大きく頼りにはするが、一方で強くライバル視。理由は、八水が思い描く理想の自分に近く、嫉妬心に駆られたため。          逆に八水の方は目取真の自分にないひたむきさ、コミカルさに感じ入るところがあり、共に戦う内に友人になりたい…と強く思うようになる。          法子との事もあり、このすれ違いが後々チームの崩壊を招くことになる。が…  ★小田吉法子 ⇒ 彼女にも目取真と同様、戦友として友情を感じるようになってゆく。当初は兄貴分として軽口を叩きあい、          法子のサーヴァントとの仲の良さをからかうスタンス…ではあったが、やがて彼女はサーヴァントと破局。          傷心の法子を慰めるうちになんと、恋心を抱かれてしまう。おかげで彼女に想いを寄せる目取真、そして教長の          両者との不和を招く事になってしまうのだった。          ちなみに根来忍者の前身である根来寺の僧兵は信長と戦っているのだが、先祖の因縁を持ち出すのもなんだと思って          あえて法子や教長の前ではその事は触れていない。  ★タイダー  ⇒ チームのピンチを幾度となく救ってくれたタイダー。感謝はしつつも、なかなかその胡散臭さから胸襟を開けずにいた。          あまりしゃべらない事もあり、イマイチどう接していいのかわからない。しかし聖板戦争を戦い抜く間に          弱者を救おうとする彼の決死の行動を度々目にし、その正義の志に大きく感銘を受けるようになる。  ★ディオゲネス ⇒ もう…なんや…ようわからん。ボクの理解の範疇の外におるもんや…。あんま深く考えんとこ。  ★織田教長  ⇒ あの有名な織田信長…? という事ではじめは敬意を払う。出会って当初こそ対立はあったが、          八水のヨイショもあって、気を良くした教長と表面上そこそこ良い関係を維持。          しかし双方微妙な距離があり、自分はどうも教長に好かれていない様子? 信長は忍嫌いとも言われていたから、そのせいだろうか…と内心思う。          その内、法子を巡ってのとばっちりで八水は教長にも妬まれてしまう。   ★徳川家重  ⇒ サーヴァント。上記参照。  ★アニー   ⇒ 多少天然ボケの部分はあれど、アクの強い変人ばかりの目取真チームの中では八水に次ぐ常識人のアニー。その優しさには何度となく救わる。          裏稼業に手を汚してきた自分への引け目から、うまく目取真たちに歩み寄れないもどかしさ…          また法子が恋愛の情を持ってくれる事は嬉しいが、その気持ちは受け入れられないという自身の気持ち。          そういった諸々の苦悩を親身になって聞いてくれる彼女に、ほのかな想いを抱くが無理に押しとどめている。   ・クロスオーバー的関係  ※一方的な国巣の妄想であり、各作者様の許可を得ていない非公式設定です  ■東堂 尊明 ⇒ 八水は煌星付属中学の出身。その進学先である煌星高校には、東堂ほか多くの幼なじみが在学している。          中学では生徒会に所属し、大いに活躍したらしい。しかし忍や家霊使いとしての家業が忙しくて成績が下がり、ランク下の銀星高校に進学せざるを得ず…友人だった彼らとは、現在疎遠である。  ■金山 朋子  ⇒ 同じ銀星高校の先輩。その佇まいから朋子が普通の人間ではないと見抜いており、組織に報告。          一時は監視対象であった。あっちも気づいているかもしれない。  ■蒔崎 公  ⇒ 同じ銀星高校の先輩。顔は知っているし会話もした事があるが、格別親しいというわけではない。          彼がキックボクシングをやっているらしいという噂は知っている。今回の戦争を機に、お近づきになれるかも?  ■朝暮 斎 ⇒ 同じ銀星高校の後輩。彼女が古い退魔の血筋である事を、八水は父親から聞いて知っている。          特別に交流はないが、斎の友人だった行方知れずの上級生とはそこそこ会話する仲だったらしい。 ■秋村ゆいこ ⇒ 高校が違うが町で何度かすれ違っており、物腰から自分と同じ忍の出であろうと当たりをつけている。          そんな彼女がいじめを受けている場面も偶然目撃していて、何とかしてやれないものかと密かに気にかけている。  ■転片 糸  ⇒ 彼の所属する暴力団・淡子組と藤家が長年仕えていた企業は裏で繋がりがあり、非合法な活動の数々を依頼していた。          八水の父親も産業スパイとして働く際には、組員の協力を何度か仰いだ事もある。他にも忍の秘薬(いわゆる脱法ハーブ)の売買          などでも関わりがあり、彼らヤクザ者とは手を切りたくてもできないズブズブの仲。非常に頭の痛い悩みの種である。  ※ほか、製作時点でまだ把握していない銀星高校のみなさん、よろしくお願いします ・聖板にかける願望   当初の目的こそ組織の追っ手からの追撃をかわす事であり、目取真たちを利用する気持ちもあったのだが、   仲間が増えて戦力が充実し、組織に対して守勢から攻勢に転じるようになる頃には彼の気持ちも変化を見せる。   周囲にも影響され、徐々に自分の身を守る為ではなく人々を守る為の戦い、世界を守る為の義戦を行うようになってゆく。   そんなわけで聖板取得の為の私的な戦いは(さしたる願望もないので)早々に放棄するのであった…。   まあちょっとは興味が無くもないのだが。   ・セリフ 『 わわ、上様! ボクにこんなトコの世話までさせるんかいな。なんぼなんでもヒドすぎや!!』 『 ええかげんにせやバカ殿!! しまいにゃしばくで…って嘘嘘ウソやで、だからそない泣かんといて…ハァ』 『 ―――なんで樽なん? 』 『 な…なんやこの珍妙ユカイな集団は…。こらあかんで、ここはこのボクがしっかりせえへんと… 』 『 かんにんな、法子ちゃん。気持ちは嬉しいけど、ボクはキミの考えとるよな男やあらへん 』 『 …これがボクの、正体や。なあ目取真クン…これ見てもまだ、ボクがうらやましいゆうんか…? 』 『 よう、がんばったなあ上様。見といてや。主の仇は、必ず臣下がとったる…必ずや…! 』 『 キミはほんまエエ奴やな目取真クン。こないなボクでよければ―――友達んなってくれへんやろか 』 ・イラスト・小説などの二次創作使用の可否   いいでござるニンニン  ・その他自由スペース 《 魔術師としての性質 》  八水は厳密には魔術師ではない。古来の伝統的な呪術である神道や仏教に起因した精霊操作の技法を使用する。  起源である隠匿は世を忍び、暗器を用いるに相応しいもの。しかし隠した本性を表に出せない性格や、  麻薬にも等しい薬物の常用など秘められた行いにも影響している。 『起源』  隠匿  『魔術系統』精霊魔術(家霊使いと呼称される)  『魔術属性』土  『魔術特性』建造  『魔術回路』質:B 量:B 《家霊について》  家霊の誕生と性質等について、基本的な事はこれまでに説明した通り。以下は補足。  @人造精霊としての家霊   住人の想念や霊魂に土地の霊気が影響して家霊を生む、としたが、この他にも建築物自体の霊性などが大きく影響を与える事がある。   霊木や霊石、霊土・霊草、霊水や呪符を混ぜたコンクリートなどを築材に用いて建設した場合、高確率で家霊が誕生する。   また地質的に龍脈の通る場所、霊魂の集積しやすい古墳跡、墓場のあった場所、古戦場などの上に家を建てた場合も同様。   この他、人柱や強力な呪物を家屋の地下や庭に埋めるなどしても家霊の発生を強く促す事が可能となる。   つまり家霊というのはこのような種々の条件を揃える事で、ある程度人工的に発生させられる人造精霊としての側面も持っているのである。   人の暮らしを育み守る『 家 』の霊として、家人に愛情を持つものも多い彼らは、通常の自然霊や神霊より遥かに御しやすく使役する事ができる。    A家霊を家屋外に呼び出す方法   生贄などの代償や面倒な契約も必要とせず、家霊はその制御が容易という利点がある反面、   自由に移動できない建築物の霊威であるので、決まった拠点の防衛などにしか役に立たず、古の頃は家霊使いが退魔業で名を馳せたりする事は少なかった。   しかし時代を経て、家の柱などの一部分を削りだして作った神棚に家霊を一時『 勧請 』する事で移し変えるという秘儀を完成させ、   力は弱まるもののある程度離れた場所にも家霊を召喚できるようになる。   また八水のカラクリ人形のように、家の築材の一部分から作成した人型のものを依り代にして家霊を召喚する…という技法も編み出された。   ただしこの人形召喚法は家霊が本来宿る家からあまり離れていると使用できず、八水の家霊召喚も石枝市の外では効果を発揮しない。   近年にはキャンピングカー内に神棚を設け、かなり遠方に家霊を連れ出すという新技術も開発されている。八水の藤家も遠征用のキャンピングカーを所有している。    B家霊の種類   人造精霊として生み出されるものも多い家霊だが、その殆どはたまたま霊地の上に立ち、たまたま住んでいた者の強い想いが結実して自然発生したものばかりである。   神社、寺、古城、武家屋敷などは往々にして強い力を持つ家霊が宿っているが、変わった所では武術道場、デパート、犬小屋、映画館、刑務所、、   遊園地のミラーハウスなどにも家霊が宿っている事がある。   家霊の中でも低位のものは、家全体でなく部屋に宿る事もある。倉ぼっこ、納戸ばばあ、トイレのかんばり入道などの妖怪はこの類である。   更に低位である最下級の家霊は人格すら有しておらず、ひたすら家を揺らすだけの妖怪・屋鳴りのようなものとなる。   西洋における家霊であるドモヴォーイ、キキーモラ、或いはレプラコーンなどと比較してみるのも面白い。   これらの内、邪気や瘴気が満ちた土地に人の負の感情が加わる事で誕生する 『 陰宅 』というタイプの家霊も存在する。  C邪悪な家霊・陰宅   陰宅はその多くが邪悪な性質を持ち、立ち入り住まう人間に災いをもたらす。お化けが出るという噂の廃墟の類は、得てしてこの陰宅である場合が多い。   これら陰宅の中には更なる負の力を取りこんで成長し、『 人食い家 』となるものもいる。食虫植物のように人を誘き寄せる香気を発し、   美しい幻影をもって誑かし、内部に呼び込んだ人間を生き物のように消化吸収してしまうのである。   あるいは周辺の悪霊や妖怪変化を招き寄せ、魑魅魍魎の跋扈する巣へと変貌してしまうタイプのものもいる。   他にも邪悪とは言い難いが、内部を迷宮化して迷い込んだ人間の奮闘ぶりを脱出ゲームのように楽しむ変り種も確認されている。   家霊使いの家系の者はこれら陰宅との戦いを使命としている者も多い。八水もこれまでに死ぬような目に会いながら、幾度か陰宅との戦いを経験してきている。    陰宅の中でも上位の力を持つものは、もはや家の範疇にすら入らない真性の怪物として名を知られた者も数多い。   中東の砂漠にそびえる食人邸群の王『 人食い楼閣ドムリアット 』、ヨーロッパの陰宅都市『 ゴーメンガースト 』   日本近海の波間に威容を晒す『 鬼見城 』などの有名どころは車輪が着いていたり、足が生えていたり、大カタツムリの背中に乗っていたりして普通にあちこち移動できる。   鬼見城に至っては蜃気楼をもたらす霧と共に、海の近くならば何処へでも移動できるのである。   西洋ではこうした陰宅との戦いを主に家霊使いが担当する事が多いが、東洋では家霊使いに加え中国由来の風水師が受け持つ場合が多い。   風水師たちは土地に流れる気脈を読み、物の配置を変える事で陰宅を浄化消滅させる独自の技法を使う。   家霊使いと風水師はお互いをライバル視しつつも、時には手を組んで人に仇なす陰宅に挑むのである。    D家霊の人格   自然霊などと比べて人の世界に近い存在の為か、総じて人間くさい者や人の習俗に理解ある者が多い。中には自分を家族の一員である人間だと思い込んでいる者までいる始末。   住人の家に対する愛情を示す解りやすい行動として、掃除されたりする事を非常に喜ぶ。家霊にとって家の掃除は立派な呪術儀式として受け止められるのである。   八水の家霊である久児香加須は 『 カラクリ忍者屋敷 』の家霊という極めて珍しい存在であり、その性質を受け継いでいるのかロボットのように振舞うのであまり人間性は感じられない。   稀に家に深い愛着を持った者、建築の際に人柱になった者、家の中で非業の死を遂げた者、代々家を継いできた祖先の集合霊…など家と深い関わりある人間の霊がそのまま家霊に昇格するパターンもある。   こういった場合は生前の人間の人格をそのまま宿しているようである。   時には家で飼っていた犬・猫や屋根裏に住んでいた白蛇などの動物霊が家霊に昇格することもあるが、こちらはさらに稀なパターン。  E家霊と藤家   藤家は江戸初期頃までには既に久児香加須を生み出しており、紀伊国にて忍の技を磨きつつ各地の陰宅退治に赴いていた。   その後、江戸幕府八代将軍・徳川吉宗に御庭番として召し抱えられると、カラクリ忍者屋敷も江戸の街に移築。   更に江戸城敷地内に神棚を設置して中継点とし、屋敷神たる久児香加須の力を城内でも振るう事ができるようにした。   最も、江戸城には既に強力な家霊である太田道灌が宿っていた為、あくまでも忍の技を主としたサポートに留まる。   それから長年に渡り屋敷は江戸・東京にあったが、雇い主の魔術組織『 霊長総軍 』加入に伴って数年前、   石枝山中の小さな霊地に屋敷を移築している(東京の家より霊力の勝る地らしく、家霊の力は以前よりやや強化されている)   家霊使いにとって家というのは力の源であるので、その正確な場所は仕える主や仲間にも秘中の秘。   八水は普通に生活する為のアパートを別に持っており、週末以外は高校に近いそこで過ごしている。   また家霊を石枝市街に連れ出すのに藤家はキャンピングカーも所持しているので、目取真チームの拠点としてこの   三つ(本拠の忍者屋敷、アパート、キャンピングカー)が使われる事となる。 -------------------《以下、おまけ》----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ※モデル  名前の元ネタは実在した根来衆・名取弥治右衛門の雅号、藤一水から。  外見の元ネタは多々あるが、初めはキャラ製作中に視聴していた東京グールの月山さんのようにしようと考えていた。髪が紫なのはその名残。  その後、たまたま甥っ子と一緒にプレイしていた妖怪ウォッチ2でSランク妖怪の影オロチというのをゲット。  嬉しさのあまり似たような見た目にしてみた。  できてから気づいたけど、スパロボのギリアム=イェーガーも入ってるかも。  カラクリ人形の通世賢摩多羅丸の名前の元ネタは、漫画・サイポリスに登場したカラクリ武者の学天則葛丸。 ※人物造型  幼い頃から裏社会に生きる為の訓練を受け〜だの、特殊な秘術を先祖代々受け継いで特殊な敵と闇で戦う〜だの、  製作者国巣の大好きな伝奇ラノベ系主人公を意識して設定を作成。  まさに目取真(や作者)が普段、頭の中で妄想しているようなヒーロー設定を地でゆくような人間である。  これでなんかの秘められた力が暴走して生まれ故郷を壊滅させてたり、最凶の暗殺者に家族を皆殺しにされてたりしたら完璧だった。  しかしそんな奴実際にいたら、絶対あぶないク○リとかやってるよな…うん。ガンツの大阪編でもやってたしな。  怪獣と戦う警備隊や怪人と戦うレンジャーとかだってそうだよ。戦場の兵士に必要なのはやっぱク○リとオ○ナだよ。  ―――――――――――嘘です!!!! そんなわけありません!!!!! 失礼しました!!!!