詳細設定 企画エントリーシート+  ※他製作者様のキャラクターの名前を、勝手に何人か使わせてもらっております。あくまで国巣個人の妄想設定ですので、   どうぞお許しあれ。 ・人物     若輩ながら他の下級エージェント達を纏める立場にあり、組織の信任も厚い。   水属性魔術と魚人としての異能を組み合わせ、死徒並みに高い戦闘力を有する。   冷静かつ機械的に任務を遂行し、これまでに数々の成果を挙げているという。   各魔術組織にもその名を知られている甕人だが、実は組織に参入する以前から『大地の使徒』と呼ばれる狂信的エコロジスト集団に加入しており、   ある目的の為に『霊長総軍』に潜入中。聖板戦争中、状況によっては所属する組織を裏切ることも。 喜怒哀楽の感情に乏しく口数少なく、表情も平板。周囲からの評価に無頓着で、孤独を選ぶ傾向がある。   日頃から何事にも関心が無いような素っ気無い態度であるが、組織から命令された任務だけはきっちりとこなす。   同僚の下級エージェント達は、どれもアクの強い性格をした者が多く、時として大きく任務を逸脱した行動を取りがち。   なもので、彼のこうした忠実かつストイックな姿勢は特に高く買われている。     …が、そもそも彼の精神は人間とかけ離れたもの。表面上は人間のように取り繕っていても、その実人が持つような感情を有していない。   自分は魚であり本来は海に棲むべき所を、人の姿を持っているがゆえに拒絶され、仕方なく陸に住んでいるのだ…と解釈している。   人間の感情を理屈として理解はしているが、共有共感はできない―――と、思われるがはたして…? ・方針(聖板戦争での立ち回り方)   基本は『霊長総軍』の下級エージェントとして、同僚と共に聖板戦争の管理・運営に従事する。   しかし戦争が進むにつれ様々な敵対勢力が跋扈しはじめ、仕方無くそれらへの対処に忙殺されることとなる。   霊長総軍に戦いを挑もうとする者の前に、強敵として立ち塞がるであろう。  《隠された方針》   星の意思を受け、人類文明の抑止・霊的衰退を計るエコロジスト集団『大地の使徒』。ガイアの抑止力にも近き者達であり、   『霊長総軍』の組織内にも複数人が潜伏。実のところ甕人は以前よりこの勢力の一員であり、彼らの日本支部長の命を受けて霊長総軍に潜入したスパイの一人である。   この度の聖板戦争では『霊長総軍』からの指令だけではなく、『大地の使徒』のある計画をサポートするなど、   本来所属する勢力から与えられた裏の任務も同時にこなす。万一真の目的と素性がバレれば、彼が組織から粛清対象となる事態も起こるだろう。    ・戦闘スタイル(強み・弱点含む) 生体レーダーや棘剣・優れた反射神経や怪力などの人外の力に加え、水属性の攻撃魔術も併用して敵に立ち向かう。  遠近の距離を選ばぬ戦い方が持ち味であり、魔術も格闘術も平均以上の実力。ただし銃器の扱いだけは苦手である。  特に同じ魚人相手でもなければ水中戦闘ではほぼ敵無し、彼と対する場合には水辺から離れるのが賢明である。  サーヴァントとも正面から打ち合えるが、さすがに宝具などの強力な攻撃の前には太刀打ちできない。  これ程にオールラウンダーな彼でも、深海に隠れ住む真の魚人たちと比べればまだまだ力は弱い、との事。 弱点は乾燥であり、定期的に多くの水分を摂取しないと冬場でも脱水症状に陥る。海水入りペットボトル常備。   ・戦闘時相性の悪い相手・良い相手  機械の様に冷徹な攻めで相手を追い込み、有効とあらば人質をとるなどの卑劣な手段も辞さない。  よって感情的な敵であればその裏をかき、隙をつくのも容易なことから、組しやすい相手である。  水属性の持ち主である事から基本、火属性の相手には優位に立てる。しかし今回の戦争では並みではない炎の使い手がおり、  あまり属性からくる優位性などは意味がなさそうに思える。  火属性とは逆に雷属性、電撃には弱いはずであるのだが、体内に発電器官を備えているせいかあまり効果は無いようだ。 ・性格的に相性の悪い相手・よい相手   おおよそ人間味に欠ける性格であるので相性の悪い相手ばかりのようだが、その内面を表に出す事はないので   さしたる衝突もなく人間関係を築ける。が、当然ながら親友や恋人などの深い関係を築けることはない。   ただし甕人と同様に、人とかけ離れた精神構造を持つ者ならば、或いは一歩進んだ間柄になれるかもしれない。   また情感豊かな相手からすれば本音の読めない人物であると受け取られ、距離を置かれてしまう。 ・パートナーについてどう思っているか さして複雑な人格を持つサーヴァントではなく、道具としか思っていない。 ・聖板にかける願望   特に無し…と見せて、実は自らの肉体をより魚人らしく変えて欲しいという密かな願いがある。   聖板に願わずともいずれ、魔術による人体改造を依頼するつもりなので、とりあえず現時点では任務を優先。   だが機会があれば聖板を手にし、早く願いを叶えてみたいと思わなくも無い。   ・セリフ 『 ―――――霊長総軍に仇なす者は、すべからく抹消する 』  『 ―――――抗えば、苦痛が長引くだけだ。頃合と知れ、お前の矜持は充分に示された 』  『 ―――――徒労だ。いかに哀れさを装うとも、この身に人の情など持ち合わせてはいないのだから 』  『 ―――――気づくのが遅きに過ぎたな、人間。俺は初めから星側の者。海の一族に生まれついたからには、それも当然の事 』  『 ―――――何故、そうまでしてお前は人の中で生きようとするのだ。我らと人は決して相容れぬ存在なのだぞ 』   ・イラスト・小説などの二次創作使用の可否    かまわんでゲスよ ・その他自由スペース  序盤〜中盤にかけてのやられキャラです。やられキャラの中では結構な猛者なので、終盤まで残る可能性もあり。   外見のモデルは渺茫とか、鬼丸仁とか、ネクロ。  『起源』  深淵  『魔術系統』四大元素魔術  『魔術属性』水(海)  『魔術特性』水質変化  『魔術回路』質:C 量:C -------------------《以下、おまけ設定》----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【甕人の生い立ち】    皆津家(旧姓は水津宮)は明治時代に臣籍降下し、爵位を受けたやんごとなき華族の家柄である。  しかし一族の者がその身に古き異形の血を宿している事は、当然秘中の秘として口外されてはいない。  その末席に生まれた甕人は生まれつき異形の力の強さを感じさせ、長じても人間社会への適合はできないだろうと判断された。  家の掟に従い赤ん坊の頃に小船に乗せられ、海神・綿津見へと送り返す『海送り』の儀式をもって海へと流される。  だが海界にあっては人の性が強過ぎる思われれたのか、海神とそれに従う魚人達は赤ん坊を受け取らず、  そのまま幼い甕人は衰弱死寸前で日本近海のある島へと流れ着く。  その島では海からの漂着物を神の贈り物として崇める習慣があり、島長も務める神主の老人に預けられ、育てられる事となった。  小船に書かれた漢字からミカヒトと名づけられ、無事に戸籍も取得。  明るく活発な少年として他の人間となんら変わりなく成長するが、14歳を過ぎた辺りから肉体も精神も変質しはじめ、  人ならざる能力を発揮しはじめる。    『 自分は化け物になってしまう 』と友人や家族に助けを求め、恐怖から一人蔵に籠もって泣き暮らす毎日。  やがて泣き声は止み、扉を開けて出てきたのは異様な雰囲気を漂わせ、別の何かとなった甕人の姿だった…。  例え甕人が何になっても、甕人は甕人。心配しなくても、家族はいつまでも家族だし、友達はずっと友達―――。  そんな暖かな言葉をかけてくれた周囲の人々が見せる、怯えた表情、それは甕人にとって人との決別の瞬間だった。  尤も、彼らを恨むつもりも嘘つきと詰る気も無い。何故なら自分はもはや人ではないのだから当然の反応なのだ。  赤ん坊の頃に続き、二度まで人の世に拒まれた甕人はさしたる未練もなく島を後にした。  目指すは自分の真の居場所、真の同胞が棲む深海。深く潜った甕人の前に魚人達が現れて手招きする。  長き遠回りをして、とうとう自分は在るべき場所へとやってきた…誘われるままに彼らを追いかけ、潜ってゆく甕人。  しかし完全な魚人ではないその肉体は、深海の水圧に耐えられなかった。苦しみながらも必死に藻掻き、同胞に追い縋る。  しかし魚人たちはそんな姿に嘲笑をくれると、彼を置いて深き闇の奥へと消えた。  その眼は甕人に、『所詮、お前は人間だ』と告げているようだった…。  その後、かろうじて生還した甕人は陸に戻り、不本意ながら人としての生活を続ける事となる。  人ならざる身でありながら人の世で生きねばならぬ苛立ち、自分は人ではないというアイデンティティの確認、  そして同じようにこの日本のどこかで生きている孤独な異形たちに向けてのメッセージ…として彼がとった行動。  それは無差別連続殺傷―――いわゆる通り魔であった。  人外の犯行である事をアピールする為に遺体に牙や爪あとをつけ、時には襲った相手をわざと逃がす。  噂はあっという間に広がり、出没地域の近隣住民は恐怖のどん底に包まれた。  その行いの裏には、化け物として人間に退治されたいという自暴自棄な気持ちも、多分に含まれていただろうと思われる。    しかし甕人を最初に見つけ出したのは警察でも退魔の者でも、同類の異形でもなく…『大地の使徒』と呼ばれる奇怪な集団であった。  彼らは甕人を一目見て皆津一族の血縁であると看破し、自分達は人でありながら自然を守る為に人と戦う者だと名乗る。  そして人こそが星に災いをなす異形であり、魚人や人狼はその座にかわって地球の支配者となるに相応しい…とも力説。  その能力を我々の為に貸してくれないか、と協力を懇願された甕人は、初めてありのままの自分を受け入れてくれた者達に対し、承諾の意を示す。  その時、孤独で異質なはずの魚人の胸中に浮かんだもの…それは人間なら誰もが持つ、他者に認められたという喜びだったのかも知れない。  だが、彼がその手にかけた数多の命に対する罪は、決して消えはしない。 【大地の使徒とは】  自然を守ろうという意識が過剰に強く発現した、星の意思に従う者達。  起源覚醒者にも近しい霊的な先祖返りであり。『星の意思』勢力の一派である。  人類文明の衰退と破壊を狙い、様々な策謀を巡らせている狂信的エコロジストがその実体。  バグのようなイレギュラーであり、正当な抑止力ではないが(抑止力は原則として観測できない)  結果的に抑止力的な行動を取りやすい。世界各地に支部があり、日本支部リーダーは世界的にも有名なあるアニメ監督。  『霊長総軍』の中にも多数潜伏し、自分たちの望む形の大極点を起こすべくオーリー・グラスマンの観測能力を利用しようとしている。   【魚人と日本の歴史との関わりについて】    『鶴女房』や『雪女』のように人とそれ以外の存在が交わる異類婚姻譚のうち、日本最古のものの一つが古事記の  『海幸彦と山幸彦』の伝説に登場する山幸彦と『豊玉姫』の結婚である。兄から借りた釣り針を海中に紛失した山幸彦は、   釣り針を探して海の底にある海神の宮殿・『綿津見神宮』に赴き、その地で海神・綿津見に歓迎され持て成しを受ける。   やがて歓待を受ける内に、山幸彦は海神の娘である『豊玉姫』に見初められ、契りを結ぶ運びとなった。   古事記の記述によれば、姫は出産時に『八尋和邇』=八尋(とても長いという意味)の長さを持つワニ(鮫を指す古語)の正体を現し、   その姿を見られた事を恥として、子を残し夫である山幸彦の元から去った…と言われている。   この子こそ日本皇室の祖・神武天皇の父である鵜茅不合葺命であり、さらに不合葺命の妻は豊玉姫の妹(つまり自身の叔母)である。   これが何を指し示すかといえば、天皇家には鮫の本性を持つ海神の眷属の血が流れている――――という事である。   国巣設定によれば甕人の出身たる皆津家は旧姓を水津宮と称し、還俗して平民になる以前は高貴な血統に属していた。   しかしその血筋は他家と比べてより濃い海神の血を宿し、現代に至るまでその異形の力を継承。   彼らは古くから日本の闇に、隠然たる力を持つ一族なのである。  『浦島太郎』の民話に登場する『竜宮城』は綿津見神宮であるという説もあり、   そこの住人である『乙姫』は豊玉姫の子孫、もしくは姫自身であるという解釈もある。   このように古代から日本の海の深きには異形の者が棲息し、時に人と関わってきた。   その裔である甕人は果たして、今の世とどのような関わりを見せるのだろうか…。    ※山幸彦は島村鰐氏が第三次聖板戦争でキャラクターとして作成しており、その詳細情報を読めば物語はより解りやすい。    ※実際のところ、魚人・鮫人の正体はサメを祖霊として崇め、体に魚のような刺青を施した海洋民族の事だと言われている。   元を辿ればインドネシアやフィリピンあたりから渡って来て、九州に住み着いていた日本先住の民かもしれない。