※サーヴァントの真名が描いてあるので注意。 詳細設定 企画エントリーシート+ ・人物   笑劇の、いや衝撃の事実!! 平行世界のもう一人の目取真重雄は、なんと霊長総軍に所属する悪の魔術師であった…!   このキャラクターを語る上では、同じく国巣製作のキャラである投稿NO.75のマスター『 目取真重雄 』を参照の事。   第三次聖板戦争からやってきた目取真と比べ、こちらの目取真は段違いの強さ。しかし性格が悪い。   強い自惚れと嫉妬心に手足が生えたような人間で、とにかく他者に対して見上げるか見下げる事でしか接する事ができない。   二人の目取真の違いは、出会って影響を受けた人間達の差だろうか? それは謎である…。   両名の戦いは嫉妬と憧れ、自己万能感と自己否定感という対となる感情の激突となる。   なお、色々勘違いしたその言動は周囲を微妙な空気に包み、なんだかいたたまれなくさせるという。    ・方針(聖板戦争での立ち回り方)   基本は『霊長総軍』の下級エージェントとして、同僚と共に聖板戦争の管理・運営に従事する。   しかしその裏で真のサーヴァントである『 王聡児 』と結託し、魔術儀式を行って戦場の英雄因子を集め身体に吸収。   究極超英雄メドルとなり、全人類の頂点に立とうとするチープかつチープな野望を胸に秘めている。 ・戦闘スタイル(強み・弱点含む)   魔殻士としての能力を存分に発揮し、防御魔法で同僚やサーヴァントを支援。自分に防御魔法のマジックアーマーをかけて対魔力・物理防御力を上昇させ、   格闘による接近戦を挑む事もある。だが最も得意とするのは魔殻・ダチュラの実を纏っての回転体当たり攻撃。これを頻繁に使用する。   強力な総軍魔術は魔力消費が高く、必殺技扱いで決め技に使う場合が多い。 ・戦闘時相性の悪い相手・良い相手   イメージすることが大切な魔術を行使するため、その妨げとなる精神干渉系の能力や魔術に弱い。   得意とする防御魔術を貫ける、一点突破方の攻撃を行うランサーのサーヴァントも注意すべきである。 ・性格的に相性の悪い相手・よい相手   昔の自分を思い出させるような、弱い相手が大嫌い。また威圧的な相手、こちらを見下してくる相手には過剰な反発心を抱く。   おかげで組織の上司との折り合いは悪い。また女性と見るや厭らしい視線で舐め回すように観察、セクハラ行為をしかけるのでこれまた相性が良くない。   同じクズ連中とは概ね気が合う。エクセル氏の麻葛久司とか。  ・サーヴァントとの関係   首狩り族のほうはさして複雑な人格も持たないサーヴァントであり、手駒以上の感情はない。   王聡児の方は自分を導いてくれた師匠だと最初は敬愛していたが、徐々に憎しみと征服欲を募らせるようになってゆく。   ・聖板にかける願望   聖板の力で願望をかなえるつもりはないが、もし入手できたら英雄になりたいと願うだろう。 ・セリフ 『 クッ…! なんと忌々しいッ。こんなゴミが平行世界の私だと言うのですか! 直視に耐えません、死ねッ!! 』 『 目取真重雄…やがて大極点を打ち破り、人類を救う男の名ですッ。憶えておく事ですね! ヒャッハハハ!! 』 『 さあ、楽しいショーのはじまりですッ!! 踊れ、この私の掌の上で! 』 『 ヒャッヒャッヒャ!! どうですゥ〜我が敬愛する師匠ォ〜。見下してた弟子に、体を好きにされる気持ちはァ〜ンン 』 『 この私はァァァ世界にィィィィィ選ばれた存在ィィィィ!! 貴様らごときゴミクズがァァァ楯突く事などォォォォ   あってはならないィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!! 』 『 えっ? や、野球…? な、なんでこの私がそんなことを 』   ・イラスト・小説などの二次創作使用の可否   かまいません。 ・その他自由スペース 《 魔術師としての性質 》 『起源』  殻  『魔術系統』防御魔術、表演魔術  『魔術属性』地  『魔術特性』具現  『魔術回路』質:C 量:B -------------------《以下、おまけ設定》----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【ブラック目取真の生い立ち】   『 あいつは失敗作だからな 』 ある夜、トイレに行こうと起きた中学生の重雄。暗闇の中、彼は居間から聞こえてきた両親の会話を耳にする。   ――――だから、もう一人子供を作ろうぜ。今度は絶対に子育てに成功する自信がある。なぁ、いいだろ…?   間違いなく父さんの声だ。この時聞いたその一言は、彼の人生で何度も反芻され、その心を苦しめることになる。   重雄の父は、某有名大手塾の名物講師だった。軽妙な語り口と解りやすい解説が好評を拍し、   幾人もの生徒を名門大学、高校へと合格させた。その独自の勉強法を詳細に記した本は大きな売り上げを出し、   一時期は受験の神様とすら崇められていた。…しかしそんな彼にも、どうにもならぬ悩みの種があった。息子の重雄である。   重雄は幼い頃から人と接するのが苦手な性格。自分の『 殻 』に閉じこもり、夢想に耽ってばかりいた。   学校の勉強にもろくに関心を示さず、絵本や漫画ばかり読んで内容を母親に話を聞かせてばかり…。   これまでヤンキーなどの落ちこぼれを、一流大学に入れてきた父はメンツにかけて我が子に教育を施す。   しかし息子だからと気負い過ぎて激しくやり過ぎた事もあり、一向に重雄の成績はよくならない。   他の塾や家庭教師に任せれば良かったのだが、それは父のプライドが許さなかった。あらゆる方法を試したが結果はでない。   出来の悪い息子に対し、父は徐々に苛立ちを募らせてゆく一方…その期待に応えられず、重雄は自己否定感に終始苛まれる日々を送る。   『 大好きなお父さんに認められたい。でも、できない 』エディプスコンプレックスを抱えて成長した重雄は、承認願望の塊となる。   …父に、そして世の中の人達に認められたい。でも、こんな自分には無理だ。鬱屈した重雄の願望を形にしたのは、漫画の中のヒーロー達。   ああ、自分もこんなヒーローになって世界を救いたい。そうすれば皆に、父にも誉めてもらえる…。   しかし幾ら夢想したところで、現実にはなんの進歩も進展もない。やがて父とは日常的な親子の会話もしなくなり、口を開けば英単語や数式の飛び交う関係となった。   そんな重雄を不憫に思った母親は、必要以上に彼に優しく接する。そんな母親に重雄もついつい甘えてしまい、どんどん駄目になってゆくのである。   夢想に耽ってばかりの重雄は人格上どうにも現実生活との齟齬が生じ、数々の珍妙な奇癖が身についていた。   漫画を読み終わると暫く作中キャラクターになりきってしまう、自分で自分に連続ビンタをかまして反省の意を示す…など。   その中でも極めつけは予想外の出来事が起こると、どうしていいかわからず錯乱してしまい意味不明な行動をとってしまうという癖である。   『 目取真くん、おでこ触らせて! きゃーつるっつるー! 』高校二年の時、クラスのかわいい女子に面白がられて額を撫でられる。   女子との肉体的接触により、湧き上がる何ともいえぬ感覚…これをどうしていいかわからず、次の体育の授業を体調不良で欠席した目取真。   保健室から帰って教室で自習していた折、さっきの撫で撫で感が蘇り大爆発。気がつくと、重雄は全裸でその女子の机の上に正座していた…。   授業が終わり、帰ってきた生徒達はこの惨状を目の当たりにする。悲鳴を上げる女子たち―――――そして爆笑し喝采を上げる男子たち。   「英雄キタコレwwww」「勇者めどるまwwwww」 騒ぎに駆けつけた教師の平手打ちが炸裂し、我に返った重雄は、そのまま窓から飛び出して逃亡。   もうダメだ。すべてが終わった。皆の笑いものとなり、今度こそ父にも愛想を尽かされるだろう。しかし彼は自暴自棄となって他人を傷つけることも、   或いは人生を悲観して命を絶つような真似もできなかった。…怖かったのである。     家に戻って部屋に鍵をかけ、閉じこもる重雄。こうして、彼の登校拒否・引きこもり生活が始まった。   そんな暮らしが半年以上続いた頃、彼の前に一人のカウンセラーが現れる。その美女…国仲聡子はこれまで何人もの引きこもり少年を公正させた、という触れ込みであった。   頑なに心を閉ざす少年に、甘く蠱惑的な声色で巧みに警戒心を解かせる聡子。難なく聖域に侵入した彼女は、まるで母親のように優しく重雄を抱きしめる。   『 あなたが必要なの…私に力を貸してくれないかしら。』      聡子の正体は人間ではなかった。魔術組織・霊長総軍が聖板戦争を開催する予行演習として、小聖板の試作品で召喚されたサーヴァント・『 王聡児 』であったのである。   この王聡児は、千五百年の昔から幾度も転生を繰り返し、救世主・弥勒を人の世に降臨させるべく、歴史の陰に日向に活動してきた魔女。時には弥勒の覚醒、降臨を早める為、大量殺人さえ行ってきた。   彼女はオーリー・グラスマンが英雄因子を観測するより遥か以前にこれを観測し、『 覚性 』と名づけてこの性質が最も色濃く顕現した者を『 弥勒(マイトレーヤ) 』と呼び、その出現を待望していた。   すなわち英雄因子を持つ英雄と、彼女が求める弥勒というのはほぼ同一のものである。この弥勒は到来するあらゆる破滅を打ち破り、衆生を救う人類の守護神なのだ。   霊長総軍が破滅=大極点を回避するべく、聖板戦争を起こして英雄を作り出そうとしている事を知り、この『 英雄 』の中で最高の者が自分の求める『 弥勒 』そのものだと気づいた聡児。   彼女は進んで総軍に協力を申し出、組織の魔術師と契約。魔力供給を受けて戦争終了まで、現世に留まる道を選択する。   しかし王聡児はその千年を超える生の中で、霊長総軍が見逃しているある事実を知っていた。覚性―――――すなわち英雄因子を収集、蓄積できる体質の人間が存在する、という事である。   彼女はこの特異体質を『 如来蔵 』と呼び、長きに渡る経験から、この如来蔵の持ち主こそが後に進化成長して弥勒となり得る…と予測していた。   この如来蔵の持ち主…潜在的英雄は普段は一般人として過ごし、何事も無ければ一介の凡夫としてその生涯を終える。しかし非常時には英雄因子をその身に集め、短期間でたちまち英雄となるのである。   これは強力な英雄の誕生を妨害しようとするガイアの抑止力を欺く為、霊長の意思が苦肉の策として生み出した『 一般人に擬態させた英雄 』がその正体であるとされる。    王聡児を名乗る魔女は、長き歴史の中で幾度と無くこの如来蔵を持つ男達を探し当て接触し、その進化成長を促して弥勒とする事を千年の悲願としていた。   しかし不運ゆえか、はたまた抑止力が働いたのか、目をつけた男達は弥勒になる前に様々な理由で死亡、失敗する。   悪い事に林黒児の時は完全な転生に失敗し、前世である王聡児の記憶継承ができなかった。これにより転生の秘術を忘れて行う事ができず、死して後、魔女の魂は冥府を彷徨う他無かった。   しかしまさか、『 サーヴァント 』として再び現世に復活できようとは! この好機を逃してはならない…今度こそ如来蔵の男を弥勒にしてみせる。そう決意した彼女は、現代の弥勒となるべき者を探し始める。   英雄因子の集積を視覚化できる自身の魔眼、卦による占い、そして霊長総軍の技術を借用して調査すること数ヶ月。ついに聡児は如来蔵を秘めた『 目取真重雄 』の存在に辿り着いた。   幸いな事に、当の本人である重雄は強い自己否定に苦しみ、人に認められたい、誉められたい、役に立ちたい、でもできない…ああヒーローになりたい、という英雄願望に取り憑かれていたのである。   そんな人間にとって、『 あなたは本当は偉大な力を秘めている。』『 あなたが必要だ。』という言葉がどれだけの重さをもって心に響いた事か。重雄は彼女の誘惑に容易く落ちた。   美女に抱きしめられ、熱のこもった眼差しを投げかけられ、初めての口づけを受ける。歓喜のあまり重雄は失神し、完全に聡児の従僕と化す。   『 ああそうか。自分は必要とされる存在だったのだ。間違っていたのは、父の方だったのだ…。』 気がつけば重雄はフラフラと夢遊病者のように聡児の後を追い、そのまま二度と家には帰らなかった…。   …目取真重雄、霊長総軍入り。程なく、王聡児は自分のマスターを重雄に変更。再契約する。      その日から、王聡児による修行漬けの日々が始まった。来る聖板戦争の場に参加し、そこに集まる数多の英雄達から英雄因子を搾取。魔術儀式を用いて重雄の肉体に因子を注ぎ込み、彼を究極の英雄――――弥勒とする。   それには大量の因子の器たり得るよう、その精神と肉体を最低限鍛える必要がある。結果、目取真は幾つかの魔術と格闘の技を修得するに至る。それは、引きこもっていた頃とは比べようもない、充実した毎日…。     重雄は聡児の犬にも等しい状態だった。霊長総軍の同僚に嘲笑されようと一向に構わず、師である彼女を神聖視し、崇拝した。聡児は聡児で重雄に未来の弥勒の姿を見て、これに期待し、崇拝する。   奇妙な師弟関係は、しばらく続くのであった。   霊長総軍に対し、重雄の能力について聡児は無論、これを秘密にしていた。あくまで自分の魔術の後継者と周囲に告げ、修行の一環に組織のエージェントとして働かせたのである。この経験が更なる重雄の成長をもたらす結果となる。     …やがて、二人の関係に変化が現れだす。重雄は力をつけてゆく過程で、次第に傲慢になり始めたのである。それは未熟で弱く、自信が無かった頃の反動だろうか? 日を追うごとに高まる魔力と己の実力に酔いしれ、   かつての自分を思わせるような弱者に対して、あからさまな侮蔑の念を隠さぬようになってきた。あれ程好きだった漫画も読まなくなり、元々持っていた他者をいたわる優しさもどこかに消え失せる(珍妙さは残った)   暴力的になり、組織の任務の中でも荒事を進んで志願するようになった。…ある日、二つの事件が起きる。目取真の家が原因不明の放火に会い、彼の父と母は焼死。更に彼のかつてのクラスメート達が、初めての同窓会を行ったホテル会場の天井崩落事故で全員死亡する。   師の聡児はこの事件の犯人が重雄である事をすぐに見抜いた。彼は折に触れ、自分の恥ずかしい過去を消したいと口にしていたのである。記憶消去に留めておけとあれ程釘を刺しておいたのに…。   霊長総軍にこの事実がバレたらどうする…と迂闊さを叱責する師に対し、重雄は始めて苛立ちを露にし、反抗的な態度を取った。のみならず、未来の救世主・弥勒にそんな偉そうな物言いをして良いのか―――とすら言い放ち、更には聡児を組み伏せ、淫らな行為に及ぼうとした。   が、当然遥かに実力が上である師に適うはずもなく、あっさり叩き伏せられる。途端に卑屈になり、師に詫びて忠節を誓う重雄…しかしその瞳には憎悪の炎が微かに灯った。自分は偉大な存在だと、師匠は言ったじゃないか。なら自由にさせろよ。この女、いつか思い知らせてやる。   王聡児は救世の英雄・弥勒さえこの世に現れてくれるのであれば、別に器となる如来蔵の男がどんな人間であろうと構わなかった。しかしそんな彼女に一抹の不安が過ぎる。この男、あまりに性根が卑しい。例え能力があっても、こんな小物に英雄の力が宿るものなのだろうか?   彼女の不安は、後に的中する事となる…。   そして、第四次聖板戦争が開始される。霊長総軍を出し抜き、究極の英雄・弥勒を誕生させる準備は整った。後は英雄因子を保持する者達の集結を待ち、戦争の陰で儀式を執り行うのみ…と計画の完遂に自信を見せる聡児。   彼女は戦争序盤で自身の死を偽装し、組織を謀って地下へと潜伏。弟子の目取真には儀式直前のギリギリまでその器としての成長を促進するべく、リスク覚悟で組織のエージェントとして戦場へと向かうようにと指示。   果たして、この二人の行く手にはどんな運命が待っているのやら…。   終盤、仲間のエージェント複数と共にタイダーをよってたかって嬲り殺しにし、もう一人の目取真重雄を激怒させる。