・プロフィール 名前:九束 読み:くたば 血液型:O型 生年月日:12月1日 星座:射手座 趣味:絵を描くこと 特技:掃除・ガラクタ作り 好きなもの:缶詰 嫌いなもの:家事全般(掃除を除く) キャッチフレーズ:朽ちた好奇心 一人称:私 二人称:君・貴方 ・性格 気力と感情の起伏が非常に激しく、優柔不断な気分屋の男性。 悪人ではないのだが人としての感情が抜けている部分があり、その為に他人から距離を置かれる傾向にある。 ・概要 時計塔の一部の学生の間で流行っている謎の講師。 どういうわけか誰も彼の姿を見たものがいないのにも関らず、彼の講義を受けたことがあるという学生達がいるという。 彼らの証言によると講義の内容自体は非常に鮮明に覚えているのだが、その講師に関する記憶が全く思い出せない。 大半の学生からはただの噂に過ぎないと言われているがその真相は定かではない…。 ・方針 聖板戦争による魔術の漏洩を防ぐために問題のある行動をしたマスターへの忠告、またはマスター権の剥奪(方法を問わない)、また未使用の令呪の保管。 小国の復興を目指すリリィ・オブライエンの依頼のため、ギルバート・ウィンザーのサポート。(ただしルートによっては裏切る可能性あり) ・聖板にかける願い なし (ルートによっては、弟子を生き返らせ根源への到達を観測すること) ・台詞例 「また白髪が増えた…」 「腹が減っているなら缶詰でも食べるか?、味の方は私が保証しよう」 「実に脆いものだな…人間というのは」 ・イラスト・小説などの二次創作使用の可否 問題ありません、というか使っていただければ光栄ですッ! ・補足 魔術師でありながら全く魔術が扱えず、ならば同じ結果が出せるものを作ればいいという思考をしており、時計塔ではなくアトラス院に在籍した方が大成するのではないかと 言われているが、高速思考や分割思考といった必須とも呼べる技能を持っておらず、純粋に能力から言うと並みの魔術師よりも遥かに劣っている。 彼の特出した点は「あと一歩で根源にたどり着けるもの」を作り出すことであり、彼はこれを求めた結果(根源への到達)が出せない出来損ないのガラクタと称している。 その腕を買われ、様々な機関から依頼があり、魔術協会、聖堂教会、さらに霊長総軍など、幅広く請け負っている。 20年を費やした結果、自分ではどう足掻いても根源へたどり着くことが出来ないという答えにたどり着いてしまったが、それならば自分の代わりに根源にたどり着ける魔術師 を育成すればいい、という考えに至ったために講師を務めていたのだが、彼が育成した学生の殆どが封印指定を受けてしまうほど優秀になってしまい、中には人に害をなす者、 神秘の漏洩を省みない者も存在しているため、責任をとって彼らを適切に処理せよとのことで執行者も兼ねている。 このことから現在は表立って教鞭を執ることは無いのだが、根源に至ることを目標としているが能力が備わっていないなどの問題のある学生のために密かに講義を行っている。 今でもガラクタを作り続けているせいでアトリエの研究室は足の置き場も無いほどになっているが、寝室や客間などは対照的に埃一つ無いほどに清掃が行き届いている。 調理の手間が省けるという理由で缶詰しか食べないという偏食家でもあるが、暖かい手料理を振舞われると感動のあまりに無言で涙する情にほだされやすい一面を持つ。 ・申し訳程度のSS 時計塔にある寂れた人気の無い一画に一人の魔術師がいた。 東洋人、年齢は30代半ば、白髪交じりのボサボサ頭で変人という言葉が似合う実に奇天烈な男性だった。 彼の名は九束、魔術師というより錬金術師と言った方が正しいのだろうが、根源を求める者の呼称が魔術師であるならば彼は魔術師と言えるだろう。 彼が作るガラクタと称される「危険物」はこの世のパワーバランスを狂わせかねない代物ばかりであり、魔術協会から危険人物として知られていた。 優秀ではあるのだが問題の多い人物でもあった、肝心の魔術は魔術回路の質が非常に悪いために腕は凡人の域を出ない、さらに時計塔を統べるロード達への暴言。 「自らの力を誇示することにしか力を注がず、魔術師の本来の目的を忘れている者が魔術師を名乗るなんておこがましい、貴方達は魔術使いと名乗るべきだ」 この一言から血統を重んじる魔術師やロード達から反感を買ってしまい、事実上、時計塔に籍を置いているにも関らず時計塔とは敵対関係にあった。 敵対してはいるがその技術は目を見張るものがある、そのため表向きには存在しない事にし、影から魔術協会に協力することを条件に封印指定の免除、また研究に必要な設備 などの見返りを得ることになった。 それは彼としても悪くない条件だった。 そんな彼は、アトリエに篭って夜でもないのにも関らず天体望遠鏡で空を眺めていた。 「また失敗か、もし「根源」が視覚できるものであるならば邪魔なものを除去し、無限に拡大し続けることが出来ればもしかしたら、と考えていたのだが…」 ガラクタで埋め尽くされた研究室で機嫌が悪そうに独り言を呟いていたそんな時、時計塔には招かれざる客人が訪れていた。 そんな事も知らず今日もひたすら研究に没頭していた、それが彼にとっての日常だ。 彼のアトリエにはガラクタ目当ての者の為に人除けの結界や、内部には迎撃用のオートマトンなどの防犯装置が配備されていた。 本人としては掃除の手間が増えるとして拒否していたのだが、彼の作成したガラクタの危険性を考慮した結果、魔術協会の決定で仕方なく配備されることになった。 そんな要塞とも呼べるアトリエに強めのノックと共に客人は突如として現れた。 重い腰を上げ、研究室から出て玄関の様子を見てみると、上品な顔立ちの女性が巨大なゴーレムを率いて迎撃用のオートマトンをゴミのように潰して行く光景が見えた。 「あぁ、せっかく綺麗にしたのに滅茶苦茶じゃないか…ノックするならもっと優しくすればいいだろうに、君のご両親はそんなことも教えてくれなかったのか…?」 彼女の名は リリウム・ヘンリー・クリストファー・ユージーン・オブライエン、400年もの長い歴史を持つ魔術師の名家であるオブライエン家の現当主である。 そして名の無い小国の出身である彼女は、小国崩壊の一因である魔術協会を目の仇にしていた。 九束の言葉が癇に障ったのか、少し怒ったような表情で口を開いた「いくらノックしても出てこないから、少し強めにノックしてみたのだが…随分とご丁寧な御もてなしだな 今度からはチャイムぐらい着けておけ」 呆れた表情で彼女に返答する「やれやれ…それで私に何の用かな、玄関を吹き飛すほど重要な用件を是非とも聞かせてくれないか」 「いいだろう、しかし…ここは客人にお茶の一杯も出さないのか?」 「…それは失礼した、では客間に案内しよう」招かれざる客人とは正にこのことだ、そう思った九束だった。 久しぶりに紅茶を淹れた、というより淹れさせられたというべきか、私はお茶というとコーヒーか縁茶を連想するのだが彼女の場合は紅茶のことを指すようだ。 私が淹れた紅茶を飲み、吐き捨てるように呟く「全く、紅茶もまともに淹れられないとは…」 どうやらお気に召さなかったようだ、しかし、そんなことはどうでもいい「それで、そろそろ本題に入ってもらえないか?私の不味い紅茶をわざわざ飲みに来たというなら話 は別だがね」 私の質問に対し、図々しい客人はようやく用件を話す気になったようだ「40年前、小国で起きた聖杯戦争のことは知っているか?」 「多少、といった程度ならな」 聖杯戦争とは万能の願望機である聖杯を巡って魔術師達が奪い合う争いである。 始まりの御三家が引き起こした冬木の地で行われた聖杯戦争は第5次にまでに及んだ、しかしその聖杯は重大な欠陥を孕んでいた、そのためにあのような大惨事を引き起こして しまう結果となり、その聖杯も現在ではすでに解体されてしまい、万能の願望機は幻に終わってしまった。 40年前、それとは別の聖杯を召喚しようとする計画があった。 召喚に使用された土地である名も無き小国は、かつて非常に良質な霊脈であり、魔術を行使するにはうってつけの土地だった。 しかし、様々な組織が聖杯と小国を目当てに介入してきたために、冬木の聖杯戦争の再来となってしまった。 激化する戦いの影響で、小国は見る影もなくなるほど荒廃してしまうと同時に、国王の死という最悪の結末を迎えてしまう。 現在、小国は様々な組織の元によって占拠され、かつての栄光は無残にも潰えてしまった。 「あの戦いのせいで私の一族は没落し、誇りだけでなく故郷までも失ってしまった」 「そこで、近々開かれる聖板戦争で勝利し、一族を建て直すと共に小国を奪い返す、それに協力しろ」 基本、私の仕事は、礼装だとか概念武装の開発・提供であって傭兵になった覚えなど無い。 「断ると言ったら?」 鋭い目つきで彼女は答えた「協力する気は無いということか、ならさっき潰したゴミと同じ末路を辿ってもらうことになるが構わないな?」 …どうやら拒否権は無いらしい。 「一つ質問させてくれ、私よりもそこいらの魔術師の方がよっぽど腕が立つ、そして私は全くと言って良いほど戦えない、だというのに何故私なんだ?」 死ぬ間際に理由くらいは聞いておきたいと思った。 「お前は魔術協会側の人間でありながら敵対してもいる、それはこちらも同じだ、それにお前の腕が噂通りならば我々の戦力として適任だと判断したからだ」 勝手に話を進める彼女に挑発する「つまり、そこまで必死ならざる負えないほどオブライエンは衰退してしまった、ということかな?」 先ほどまでとは打って変わった表情で続ける「…認めたくはないが事実だ、だからこそこの戦い、負けるわけにはいかない、そして何よりも私達の故郷を取り戻したいんだ」 思いもよらない返答だった、彼女は怒りを露にし反論するどころか、事実を受け入れ私の必要性を主張してきた。 「なるほど、事情は理解した、だが勝算はあるのか?」 「言ったはずだ「我々」とな、主役ならば他にいる」 「それは心強い、ますます私が引き受ける理由が無くなったな」 「それだけでは不十分なんだ、確実に勝利を手にするために、お前の協力が必要なんだ」 彼女の切実な思いが伝わってきた、そしてここで一生を終えるぐらいなら聖板戦争というお祭りを楽しむのも悪くは無いという考えが浮かんだ。 「やれやれ…分ったよ、ここで死ぬよりはよっぽどマシだ」 途端に彼女の表情が鋭くなる。 「ふん、始めからさっさと引き受ければよかったものを、無駄な手間を掛けさせるな」 「それと私の命令は絶対だ、わが小国のための礎として、お前にはしっかりと役立ってもらうぞ?」 「(これじゃ交渉じゃなくて恐喝だな…まったく、とんでもない女だ)」 一度でも彼女に感心したことを後悔した九束であった。 ・おまけ 封印指定だらけの弟子の中でも最も優秀な少女がいた、生まれつき体が弱く長くは生きられないという欠点を持っており、半ば九束が介護する形で付きっ切りで教えていた ほど優秀な学生だった。 特殊な方法で段階的に吸血鬼の力を取り込み、吸血鬼の欠点である吸血衝動を解消することで身体的な問題を克服し、普通の人のように生きてみたいと考えていた。 心配を掛けまいと九束に内緒で行った結果、彼女は見違えるほど健康になり、良質な霊脈であった実家に戻り、研究の続行と共に地元の学校に通うようになり、幸せに過ごし ていた。 しかし、ある人物との接触により段々と吸血衝動が抑えきれなくなり、吸血鬼として人々を襲うようになってしまう、聖堂協会に魔術師上がりの吸血鬼が人々を襲っている、 という問題が露呈してしまうことを恐れた魔術協会は、師匠である九束に責任があるとし、彼に弟子の討伐を命じる。 実の娘のようにすら思っていた弟子を手にかけた彼は、どこか人間らしさが無くなってしまい、他人と接することを嫌うようになり、同時に封印指定執行者としての任を課せ られることとなった。