※真名が書いてあります。ご注意。 『 で、あるのか 』 詳細設定 企画エントリーシート+ ・人物   室町時代中期の武将。かの有名な戦国武将・織田信長の百年前の先祖であるが、詳しい資料は乏しい。  『信長公記』などの織田家系図に名があり、永享11年(1429年)頃に尾張下津城の城主として尾張守護代を務めた事が解っている。   その二年後には既に文献から名前が消えており、何らかの理由で短期の在任という事になったと思われる。   彼の前任者は父・織田常松(教信)の代役で守護代を務めた叔父の織田常竹であり、教長の後任者がその叔父の子とされる郷広なので、   ここから察するに国を任された叔父が、兄である常松が都にいて留守の間に政権を奪おうと謀り事を巡らし、   一応兄の子である甥の教長を自分の跡継ぎとしたが、難癖をつけて早々に失脚させ(或いは暗殺した可能性も)   自分の子をその後に据えた…とも想像できる。しかし何の文献も残ってはいないので、真実は歴史の闇の彼方であろう。   だがたとえ文字に記されてはいなくとも、織田教長なる人物は確かに存在し我々と同じよう笑い、泣き、苦しみ、愛し憎んで、   生きてそして死んだだろうという事は確かである。   第四次聖板戦争に召喚された教長は一国を治めた武将とはいえ、百年後の血で血を争う戦国時代に生きた武将達とは比べ物にならぬ   凡庸な人物である。当然サーヴァントとしても極めてレベルが低く、なんとか先祖や子孫の恩恵に預かって戦闘力を保っている次第。  召喚は完全に名前オチであり、どう考えても聖板戦争に相応しい人物ではない…。   場違いな場所に呼び出されてしまった事は本人も痛切に自覚しており、歴史に大きく名を残せなかった負い目や偉大な子孫への羨望・嫉妬から、   ついつい召喚時に見栄を張り、真名を『 織田信長である 』と詐称してしまう。以後は咄嗟についてしまったこの嘘がバレないよう、   マスターやその仲間たちの目を欺くのに腐心する毎日。そんな日々を続ける内に、とうとう自分が本当の信長であるような気がしてきて…。   今やすっかり織田信長になりきっている様子。ひょっとしたらマスターである法子の起源『 憧憬 』に影響され、彼もまた同じく   憧れの信長にその身を重ねているのかもしれない。     ちなみに本人は知識として子孫の信長を知ってはいるものの、実際に対面した事はないので、彼の知る最高の名将『 斯波義教 』のイメージで信長を演じている。   斯波義教は管領を務めた室町幕府の重鎮であり、当時きっての武人にして文化人でもあった。   尾張国守護として神主の子であった教長の父を武将に取り立て、守護代に任じた大恩ある人物でもある。   教長の名前の『 教 』の一字は義教の字をもらったものであり、幼い頃より斯波義教は教長の理想のヒーローだったのだ。   ゆえに元は小心者であるが、なんとか自分を奮い立たせて頼り甲斐のある義教のような人間を表面上取り繕っている。   従って、どうしても本来の信長像とは齟齬が生じるのもやむをえないことである(笑)   ・方針(聖板戦争での立ち回り方)   微妙に疑いつつも自分を織田信長だと信じてくれるマスターに尽くすため、また自分の見栄のため、何とか最後まで信長を演じながら戦争を続けてゆく。   歴史に名を残した人物への嫉妬ややっかみから来る対抗心から、気弱な性根を自ら叱咤して他のサーヴァント打倒に激しく闘志を燃やす一面も見られる。   所属する目取真チームにおいては将器を持ちながらあえてリーダーを目取真に譲り、自分はいざとなれば彼に代わって仲間を引っ張る頼もしいサブリーダー的存在   …風の位置づけにいれたらいいな〜と自身は思っている。チームの方針に色々と口は出すものの、結局は皆の意見に流される場合が多く、   その野望のカケラも感じない常の態度は『 コイツ本当に信長なのか…? 』と大いに周囲に疑われる要因となる。   そんなこんなで数々の不信を抱かれつつも、チーム最年長という事でそこそこ仲間に慕われながら戦争終盤まで生存。   一時マスターと仲違いを起こしてチームを離脱するも復帰、その最期まで信長としての生をまっとうする。   「結局、あのおじさん誰だったのかな…。」「織田信長やろ。本人がそうゆうてたし、それでええんちゃう」「はは、そうですね…」   とは、仲間たちの弁。 ・戦闘スタイル(強み・弱点含む)   近接戦闘担当であるセイバークラスではあるが、自力が弱い為かクラス修正があるにも関わらず総合戦闘力はかなり低い。   なもので、どうしても宝具頼みの戦い方が主軸となる。…とはいえ、この宝具を使用してようやく並のサーヴァントどまりといったところ。   こんな弱小サーヴァントが奇跡的にも終盤まで生き残れるのは、彼のマスターの用いる特殊な術式と本人との相性が良く、   その連携攻撃や支援が相互作用によって何倍もの効果に跳ね上がった結果であると予想される。   彼らはその『 織田信長 』という共通した憧憬の対象を中継点として、強力な『 偶像重身 』の魔術の核を形成し、   宝具・天魔影霊のような、あたかもそこにサーヴァント・信長が存在するかのような事象を発生させるまでに至るのである。 ・戦闘時相性の悪い相手・良い相手   マスターである法子も含めてしょせんパチモンの織田信長である為、本物の信長を目の前にした場合は完全に戦意も戦力も喪失してしまう。   また、彼の生きた1400年代前半(室町時代中期)は暴君である将軍・足利義教の強引な治世により各地で争いはあったものの、   教長のいた尾張国は比較的争いが無く平和であった。彼も武士としての鍛錬こそすれ、実戦の経験はほとんどなかったものと推測される。   よって、室町時代後期の戦国乱世を生き抜いた本物の『 武将 』らには位負けしてしまい、勝てる道理はないと思われる。   ただし隠し宝具『 天魔影霊 』の発動に成功すれば、逆に彼ら戦国武将を精神的に圧倒し逆転も可能かもしれない。     ・性格的に相性の悪い相手・よい相手  信長本人を知るサーヴァントと遭遇した場合、ニセモノであるのが一発でバレる。また信長と直接面識は無くとも、  歴戦の戦国武将であれば教長の乏しい覇気や殺気、あるいは将器などを見抜いてこれまたニセモノと看破する者もいるはずである。  その場合マスターの目の届かない所で相手に土下座し、なんとか真実をバラさないでくれと心から懇願する…。  そんな訳で彼ら武将たちとは性格的に相性がよくない。というか、教長の方から恐れて逃げ回るだろう。  変わったところでは心理学者や占い師など、相手の心理を読むのに長けた相手にもその虚飾が見破られてしまう為、苦手である。 ・マスターとの関係   戦争序盤、教長を憧れの信長と信じるマスター・法子との関係は極めて良好。良好どころかいつもベタベタとくっつく法子、   お互いに年の差新婚夫婦を思わせるようなデレデレぶりを披露。   この間柄が魔術的にも作用し、言わばパートナー補正が働いた事で、この未熟な魔術師と弱小サーヴァントを大いに強化する事となる。   しかしそんな二人の甘い蜜月も束の間…戦争も中盤になると法子は彼の正体に疑いを抱き始め、夢見る乙女の夢は徐々に醒めてゆく。   そうなればもはや教長などただの小太りのおっさん、何の魅力もない。   築いた信頼も崩れ、ただの使い走りのサーヴァントといった扱いに堕してゆくのである(当然補正もなくなり戦力もダウンする)   さらに、彼の属する目取真チームに新たに加入した藤八水に法子は心惹かれてゆき、嫉妬と敗北感に打ちのめされる。   ・チームの仲間たちとの関係  ★目取真重雄 ⇒ 当初は法子をめぐって目取真のやきもちを受け、ぎこちない関係ではあったが、法子との関係が冷え切るにつれ          こちらとは逆になんだか仲良くなってしまう。自分をサブリーダーとして重んじてくれる目取真に感じ入り、          マスターとの不仲による自信喪失もあって、リーダーである彼を助け支える事に自分の存在価値を見出すようになる。  ★小田吉法子 ⇒ マスター。上記参照。  ★藤八水   ⇒ チームに入って来た時はサーヴァント家重に対する嫌悪もあってか、対立。          しかし八水は忍として、武将である自分を度々立ててくれるので満更でもなく接するようになる。          彼の高い実力は認めているものの、若い上にイケメン、頭脳も明晰であるのもなんだか気に入らないようだ。 やがてマスターの法子が自分に代わって八水に想いを寄せるようになり、卑しい忍び風情に心変わりされた事で、          屈辱と嫉妬を感じる。しかし器の小ささがバレるのが嫌なので、なんとか内心を態度に出さぬようにはしている。  ★タイダー  ⇒ その異様な風体と寡黙でたまにしかしゃべらない事から、会ってすぐには警戒心を捨てきれずいつでも不意をうって成敗するつもりだった。          しかしマスターに罵られて傷つき、陰で涙にくれている時にタイダーから缶コーヒーなどを贈られ、心を許す。          得体の知れぬ男だが、情と義に篤い人物だと高評価。暇があればお互い剣を交わし、共に鍛えあう仲である。  ★ディオゲネス ⇒ 特に仲が良いわけではないのだが、何かしら通じるところがあるのか時折無言で見つめあっている。           ある時、独り言をするようにディオゲネスにだけ自分の正体を打ち明けた。しかしディオゲネスは何も言わず、           いつものように後足で頭を掻き、彼の傍に来て寝転がった。教長は一粒の涙をこぼしたという。  ★徳川家重  ⇒ 徳川家の前身である松平家は、教長の時代には尾張国の隣国三河に住む小さな土豪勢力に過ぎない。           そんな連中が織田家を差し置いて天下を取った事が腹立たしく、しかも武門の棟梁とは思えぬ家重のアホっぷりに呆れ激怒。。          …しかし家重が実は女でありながら、政治闘争の駆け引きの結果として将軍職に就かされた経緯を聞くと一転して同情。          急に彼女を可愛がりはじめ、家重もおじちゃん、おじちゃんと慕うようになる。  ★アニー   ⇒ 優しく包容力のある彼女をチームの母親役と認め、共にリーダーの目取真を立ててゆく事に決める。          マスターに振られた腹いせに、なんとなく彼女に慰めてもらおうと言い寄ってビンタ。すぐ謝った。          たまに傷ついた心を聞いて貰おうと語りかけるが、ついつい甘えが過ぎてまたビンタされてしまうのだった。          そんなしょうもないおっさんではあるが、アニーは毎度見放さずにしっかり話を聞いてくれる。 ・クロスオーバー的関係   ■織田信長 ⇒ 今回の戦争にもし本物が参戦していたら?どうなるか想像もつかない。   ■戦国武将サーヴァント ⇒ 自分が信長でないとバレないかとドキドキ。いざとなれば土下座して黙ってくれる様に頼む。                上杉謙信とかに会ったら高確率でボコられる。   ・聖板にかける願望   信長を演じている為、一応聖板に託す己の願いは『 天下統一 』だと周囲に言っている(現代日本をどう統一するのかまでは考えていない)   しかしそれは表向きのもの。彼が最も欲しいのは大人物としての名声と賞賛に他ならない。諸人の彼に向ける尊敬の眼差し、   いやさ仲間たちの、更に言うならマスターである法子からの尊敬の眼差し…それこそが真に欲してたまらぬものなのだ。 ・セリフ 『 わしが織田信長じゃ。どこからどう見ても信長じゃ。だって信長じゃし 』  『 えーと敵は本能寺にありィィ!!!!! …だっけ? 』  『 な、なんじゃその目は。わわわわしを疑っておるのか? 』  『 武士の情けじゃ、どうか、どうかわしが偽者である事を黙っていてくだされェェェェ(土下座) 』  『 すまぬ法子よ…。お主に謝らねばならぬ。わしは…わしは本当は…。 』 『 このわしを誰と思うておる。戦国に隠れもなき魔王、織田信長である! 貴様ごときに負けはせぬわァァァァ!!!! 』 ・イラスト・小説などの二次創作使用の可否   かまいません。 ・ストーリー    《がんばるおっさん!!》    最初に召喚された折、マスターである小田吉法子はイメージしていた織田信長像との違いに落胆はしたものの、  前回の失敗もあった事から『 織田信長さん…ですか? 』と期待をこめて恐る恐る尋ねてきた。  教長はどう答えようかしばし逡巡していたが、畳み掛けるように『 信長さんですよね? わたし、信長さんに会いたくて、それで…! 』 ―――と、年若き娘に縋る様な瞳で見つめられる。いや、わしは信長ではなく教長で…お主はどうやら人違いをしてしまったようじゃ。  と、言おうとしたのだが、あろう事か口をついて出たのは「いかにも、わしが信長じゃ!」…の、一言であった。  思わず嘘を言ってしまったワケは前述の通り、彼の見栄や嫉妬心から来たものではあるのだが、  嬉しさのあまり涙ぐむマスター法子の姿を見て、今更嘘だとは言えなくなった…というのも理由の一つである。  マスターが言うには、最初はただ織田信長に会いたい一心で聖板戦争に参加をしたのだが、今はこの戦いを生き残り、仲間を守り、  そして無辜の一般人の命が犠牲となって散ってゆくのを止めたい、報酬は聖板獲得による信長の野望の成就―――との事。  思えば生前は謹厳過ぎる父や強欲な叔父に翻弄され、男として何の名も残せず片田舎で虚しい生を終えた教長。  かつてこれ程に他者に必要とされた事など、無かった。娘の言葉に奮い立った教長は己を鼓舞し、此度の生でこそ武名を馳せようと決意。  自分が信長ではない事など、彼に負けぬ活躍をした後で言えばいい。ガッカリはさせるだろうが、深く詫びれば許してくれるだろう。  見ていろ信長よ。世の英雄英傑たちよ。今は名も無き一凡夫なれど、必ずや貴殿らと肩を並べて見せようぞ!!!!!    …まあそのように息巻いてはみたものの、さすがに聖板戦争は厳しく徐々に化けの皮は剥がれだし、信長ではないとバレてゆく。  比例してマスターの彼に対する信頼や熱、恋心も冷めてゆき、終盤、些細な事から言い争いになりついに『 いんちき、ニセモノ! 』と罵られてしまう。  やはり自分はしょせん凡夫…自信を失い、深く傷ついた教長はマスターの元を離れさすらう(単独行動スキルがないのであまり遠くにはいけませんでした)  しかし最終決戦でマスター法子の危機に駆けつけた教長は、総身を朱に染めながらも決死の奮闘を見せる…!  ひと時の夢まぼろしとはいえ、かつて自分を信じてくれた娘の心に、今一度答える為に。  がんばれ、おっさん。おっさーーーーーん!!!!  ――――余談だが、法子のファーストキスはおっさんが奪った。かわいい女子高生の唇を貰えたんだから、それでいいじゃない。 -------------------《以下、おまけ設定》----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 《製作秘話》  外見のモデルはNHK大河ドラマ『 黒田官兵衛 』に登場する『 小寺政職 』。  播磨国を治める戦国大名で主人公・官兵衛の主であるが、その優柔不断さが幾度も官兵衛を悩ませ、苦しめる。  俳優はあの片岡鶴太郎。鼻の頭を赤く染め、珍妙かつ素っ頓狂なアクの強いキャラクターを好演してくれている。  ほか、タイムボカンのボヤッキーや魔神英雄伝ワタルのシバラク先生…も少し入っているかもしれない。